2009年度 スローガン
『感動』の追求!!本気が伝わる行動力
〜 確立しよう存在感ある新しいJCのかたち 〜
はじめに
1970年の設立以来、(社)調布青年会議所は継承と創造を繰り返し38年という月日の中で価値ある伝統を培い、地域社会とともにその歩みを続けてまいりました。そして、その間に様々な周期的パターンを経ることにより「メンバー数」「組織力」、「事業の有効性や公益性」も移り変わりをみせてきました。
その一方では、我々の変化とは比較にならないスピードで地域環境や市民意識は変化し、ここ数年でJCの新たな存在意義が問われるようになってまいりました。
続発する社会問題には、道徳心の欠如・利己主義・目先の損得重視といった傾向が顕著に現れております。自分を見つめることなく、周囲に対する不平不満ばかり口にする国民の増加がその背景にあるのではないでしょうか?真に活力ある地域を創造していくためには、先人達が持ち合わせていた「公」を重んじる心が必要不可欠であり、その心を地域に広めるべく、次の基本方針に基づく事業をすすめてまいります。我々青年会議所メンバー自身の自立と覚悟をより確かなものとし、市民の中にある潜在的なニーズや声なき声を最大限ひろいあげる努力を続けながら、失敗を恐れず心のこもった丁寧な事業を開催・実施してまいります。
修練・指導力
〜やさしさ・自立・覚悟に裏づけされた人間性の向上とまちから必要とされるリーダーの育成〜
大所高所に立ち、長期的な変化や成長を考えることが本当に勇気あるリーダーシップであると私は考えます。皆さんにとってのリーダーシップとはどの様なものでしょうか?
リーダーシップという言葉を聞いたとき、一般的なイメージとして「強力な指導力」「カリスマ性」といった「強い○○力」を思い浮かべることが多いのではないでしょうか?しかし、ここ数年でまちづくりに於けるリーダーシップとは、それらの強い力やスキルだけでは何か重要なものが不足していると思うのです。特に現代においては、当たり前のように「ノウハウ」や「ハウツー」といった情報が身の周りに溢れており、戦術や戦略ばかりに集中し、短期的に要点を詰め込んでしまう。しかし、その知識を使うのは「人間」であり、知識だけを優先しいくら詰め込んでも、その基にある人間自身を磨かずして持っているスキルを活かすことは決してできないと考えます。青年会議所のメンバーとして卓越した手法やスキルを身につける事は当然であります。本年度は、それらに併せて人間性・人格といった『基』の部分に喚起を与えることに力を注ぎます。多様性や人との違いを認めることのできる本物の優しさと、覚悟と自立に裏付けされた人格を携え、我々の行う全ての事業、そして、会員拡大にその力を発揮していきましょう。
青少年健全育成
〜やさしさと厳しさを兼ね備えた『家族愛』『地域愛』で我々の宝(青少年)を育成する〜
愛され抱きしめられて育った子どもは、世界中に存在する愛情を感じることができ、そこから人への思いやりが芽生えてくるものでしょう。
日本に生まれ育った我々にとって、また子どもたちにとって、人間が人間らしく育ち暮らすための環境は国民の権利として、あたかも当たり前かのように整えられております。しかし、それを天から降って来るものかの様な受け止め方をしていて良い訳がありません。今我々が享受できる当たり前とされている権利は、先人達の果てしない愛情と苦労の基に得ることができるのです。私たち親世代が、自分たちの両親・ご先祖を大切に思うだけでなく、子どもたちにそれを体現して見せることにより、子どもたちの心の中に親を想う気持ちが芽生え、そして彼らが親になったときに自分たちの子を想う心というものが受け継がれていくことでしょう。
私が言うまでもなく、幼少期・少年期における教育の大切さについては皆様もご承知の通りです。現在、社会問題化している少年犯罪についても、その時期の教育の影響は少なからずあるのではないでしょうか?私は、教育そのものに対する根本的な見直しができれば、それらの問題の多くは解決に向かうと思うのです。しかし、教育=学校=学問という見方は間違っているのではないでしょうか?私の言うところの「見直すべき教育」とは、『家庭』や『地域』において行われるべき愛情に満ち溢れた教育、また、スポーツなどを通して教えられる厳しさや仲間との和、そして、勝ち負けといった経験から得る学びのことであります。そして、その重要性を我々の行う事業を通し強く唱えていきたい。
今を生きる子どもたちが明日の家族・地域・国家を支えていく「国の宝」なのですから。そして、彼らは我々大人を映す鏡なのですから。
まちづくり
〜『公』への責任感と自覚をもち市民=主人公となる地域の実現〜
明治以降、日本は中央集権体制により現代までの発展を成し遂げてまいりました。社会全体が成熟した今、中央(官僚主導)による画一的な政策では、大都市圏と地方に生まれている地域間格差や違いを埋める事はできず、当然のことながら無駄も多くなります。そこで、地方分権の動きが強まりをみせ、確かに地方自治体に変化が出てきたものの、基本的な中央>地方の関係に大きな変化はなく、市民参加という形もどこか表面的で形式的なものにとどまりやすい傾向にあるのではないかと思えてなりません。
そこで、地域主権=市民主権が声高に叫ばれている今、我々市民は果してそれに耐え得るだけの「公」への責任と自覚を兼ね備えているといえるのでしょうか?人(国・行政等)任せではなく、「自分たちに何が出来るか?」というように問題や課題の解決に向けてベクトルを他人から自分へとシフトしてゆけるでしょうか?まずは、我々青年会議所メンバーも一市民として確固たる責任と自覚を持つことが大切です。そして、まちづくりの主人公である市民の意識を根本から変革するための運動をおこし、継続していくことが今まさに青年会議所に求められている使命ではないかと考えます。
また、完成を目前に控えた京王線の地下化事業や平成25年に開催を控えている多摩国体、多摩川の浄化や深大寺をはじめとする歴史・自然の伝承etc.調布というまちの中に目を向けると様々な課題が存在します。青年会議所メンバーであるならば、それらに対する見識を深めるための調査研究・情報発信にも更に力を入れてゆくべきです。
市民の「ニーズ」や「声なき声」を拾いあげる努力を絶やさず耳を傾け、我々持前の行動力とネットワークで、夢のある明るい豊かな社会の実現に向け、「失敗を恐れず動く」ことを通し、このまちに大きなインパクトを与えていけるよう成長していきましょう!
『地域』産業経済の活性化
〜地域ネットワーク・地域特性を最大限生かし我々が活力ある地域産業経済の起爆剤となる〜
青年会議所が目的・目標とする明るい豊かな社会、夢のある地域の実現のためには、『地域』産業経済の活性化は必要不可欠な要素であります。
生活様式の変化・情報技術の進歩などにより、市場や流通も大きく変化し、地域特有の歴史や文化・自然等から市民の意識自体が遠のいている現状があります。企業はその様な移り変わりの早い消費者ニーズを捉えるべく商品開発のスピードは高まり、必然的にヒット商品の生産期間も短期集中的なものとなります。このように、大資本だからこそ成し得る発想や成長の中から『地域』の経済を活性化させていくことは、もはや困難であると言えるでしょう。私だけではなく、消費者のほとんどは「どんなに満たされたいと望んでも満たされない。何かが欠けている。」と似たような感覚を味わったことがあるのではないでしょうか?恐らくそこには、夢・志・理念・哲学といったものが欠如しているからではないか・・・・・?
『地域』の産業と経済を活性化させようと考えるのであれば、『地域』の特性である伝統・文化・自然を最大限意識し、活用していくことは当然なことではないかと考えます。
産・官・学・民の連携、協働という言葉をよく耳にすると思います。それを例えるなら「土」であり、地域は「畑」です。作物を育て豊かな実りを収穫したいと考えたとき、良い「土」が存在しない事には収穫高に大きな影響を与える事でしょう。良い「土」を維持していくためには人の手間というものが欠かせません。そして、その「土」に適した「種」つまり、アイデアや企画が必要となります。「種」を蒔いたなら、またそれらに適した「肥料や水」(歴史・文化・自然)が必要なのです。『地域』の産業経済の活性化を目指すのであれば、この様に人と人との心が通い、手間暇をかけ、持続可能で息の長いものでなくてはいけませんし、地域特性が発揮されていなければ、JCが考え取り組む必要のないものであります。
このテーマについても、企業・行政・大学等研究機関・NPOの皆様との多彩なネットワークを活用させていただきながら、調布という『地域』だからこそできる新たな取り組みにチャレンジすることが重要であります。
40周年以降の我々に向けて
〜40周年以降の調布JCが光り輝くためのビジョン策定と公益法人制度改革への対応〜
(社)調布青年会議所は、2010年10月に40周年を迎えます。そのためにも、39年目となる2009年度において価値ある積み重ねをしてゆきたい。45周年・50周年の調布JCを見据え、中長期的ビジョンの策定とその時代の調布JCを担う熱きJAYCEEの獲得と育成にも力を注いで参ります。そして、素晴らしい仲間たちと「本気」が伝わる言葉で夢を語り合い、ともに動きまわる年度にしてゆきたい。
また、一方では、2008年度12月に公益法人制度改革関連法案が完全施行となり、その後の5年間において新制度での法人形態に合わせ根本的な部分から変化していくことが求められております。
今の調布JCにとって、「ハード面」「ソフト面」両面からの更なる変革と成熟が必要なことであり、第39代理事長として、39年目の調布JCに在籍するメンバーとして、それらに積極果敢に取り組んでいくことは我々に課せられた大きな役目なのであります。s
むすびに
人が成長するためには、勿論「成功体験」も貴重な経験であるといえるでしょう。真の成長を望むのであれば、どんな些細な経験からも目を逸らせないはずです。しかし、成功から得られる成長には、「自信」の裏付けによるものが大きく、その中には、「学び」というものが少ないのではないかと思うのです。「学ぶ」ために必要な感覚は、「感じる」「感じよう」とする力であり、それは失敗や挫折といった辛く苦しく、心が揺さ振られるような思いを味わうことにより必然的に「感じる」「感じよう」とする力が芽生えてくるものであると思います。青年らしく前向きに、失敗を恐れず、もっともっと感性を磨きましょう!!
〜 現実ばかりを追い回すと感動が逃げてしまう
感動を追うことにより現実があとからついてくる 〜
この2009年度を、皆と共に『熱く』『楽しみながら』邁進してゆきたい。